探偵になるには?|免許・資格は?探偵学校、探偵社就職、フランチャイズ、独立開業 他

探偵になるには?|免許・資格は?探偵学校、探偵社就職、フランチャイズ、独立開業 他

探偵になるには?

MR探偵学校(池袋)

【MR探偵学校(池袋)】

 

 

これは探偵志願者のためのページです。

 

大手有名探偵社に取材経験の豊富な者が書いています。

 

依頼を検討するうちに、「探偵ってどんな人がやってるんだろう?ちょっと興味あるかも」と思った人も楽しめる内容になっています。

 

探偵の公的資格は?

弁護士、税理士、司法書士などは難関試験を伴う公的資格があります。

 

資格がないのに名乗れば違法行為です。

 

しかし、日本では探偵になるのに必要な資格というものはありません。

 

名乗ろうと思えば、何の経験もない人間でも、探偵と名乗り、興信所を開業することができます。

 

これが低品質な悪徳業者がはびこる元凶です。

 

アメリカでは探偵に資格があり、日本の探偵とは位置づけが異なります。

 

 

探偵の届け出は?

 

雇用される場合

 

まず、雇用されて探偵として働く場合は、何の手続きもいりません。

 

一般企業や飲食店に勤務するのと変わりません。

 

免許の類も不要
飲食店でフグの調理をするには、雇われ料理人でもフグ調理師免許が必要です。

 

電気工事をするには、経営者でなく社員でも電気工事士の免許が要ります。

 

しかし、探偵にはそういうものはないのです。

 

自営業・会社経営の場合
探偵業を経営する場合も資格や免許は不要です。

 

しかし、開業の前日以前に公安委員会に届出が必要です。

 

自分が現場で調査するかどうかは関係なく、経営者のみ届出が必要なルールです。

 

届出とは?
住民票・誓約書・履歴書などを提出して、探偵業届出証明書を交付してもらうだけの手続きです。

 

法人は会社登記謄本も必要です。

 

書類が揃っていれば自動的に受理されます。

 

審査も試験もなく、実務経験の証明も不要です。

 

認可、免許などとは違うものなのです。

 

届け出は公安委員会に直接ではなく、地元の警察を通して行います。

 

届出は本社はもちろん、各営業所・相談所ごとに提出が義務付けられています。

 

提出先は各拠点の地元警察です。

 

欠格事由
ただし、欠格事由に該当する人は届出できません。

 

欠格事由とは、「探偵業が許されない人の条件」で、例えば暴力団員です。

 

届出の際に「欠格事由に該当しない旨の誓約書」を提出し、後で警察がチェックします。

 

つまり、事後審査みたいなものはあるわけです。

 

届出をしていれば、ヤクザの経営ではないということは一応わかります。

 

参考: 探偵業の欠格事由

 

調査能力の認証ではない
ただし、届出は探偵としての能力を公安委員会が審査・認定するものではありません。

 

試験もないし、実績も不要なのだから当然です。

 

欠格事由該当者の経営でないということ以外はわからないのです。

 

探偵の特権は?

 

独占業務と業務独占資格
治療行為は医師免許を持った人だけに許される仕事です。

 

法律関係の仕事では弁護士の資格がないとできない業務があります。

 

無資格者がやれば非弁行為として処罰されます。

 

このように資格がないとできない仕事をその資格の独占業務といいます。

 

独占業務がある資格を、業務独占資格といいます。

 

独占業務のない資格もあり、例えば簿記の資格がなくても、経理の仕事はできます。

 

探偵に独占業務はあるか?
一般の人のイメージでは、探偵はある種の捜査権や逮捕権を持っている感じです。

 

しかし、実際にはそういうものは一切ありません。

 

刑事のような捜査権もないし、他人の戸籍情報を入手する権利もありません。

 

そもそも資格自体がないのだから、当然です。

 

法的な権利は一般人と完全に同じという条件の下で、法を犯さないよう注意しながら、調査しなければならないのです。

 

探偵は簡単?

以上の話を聞いて「なんだ、探偵になるのは簡単じゃないか」と考えるなら、それは違います。

 

探偵を名乗ることは簡単ですが、それで食べていけるのはほんの一握りです。

 

奥の深い尾行技術
例えば、探偵で一番依頼の多い浮気調査の仕事。

 

人を尾行して浮気現場の写真を撮るだけ、といえばそれまでです。

 

しかし、いつでも確実にそれができるようになるには、厳しい実戦訓練が必要です。

 

尾行一つにしても、相手が急にユーターンしてきた時はどうすればいいのか?

 

相手は警戒していますから、突然タクシーに乗ったり、予想外の行動を取ることもあります。

 

また、大勢の乗客がいるエレベーターに乗りこまれたらやっかいです。

 

自分も駈け込めばバレる可能性大ですし、見過ごせばどの階で降りるかわかりません。

 

見失ったり、気づかれたりしたら、その場で終わり。1円にもなりません。

 

撮影にしても、素知らぬ顔ですれ違いながら接写したりします。

 

少しでもおどおどしているとバレます。

 

一瞬の撮影チャンスを逃せば、次の浮気は何週間も先になるかもしれません。

 

チャンスを逃したことで顧客の信頼も失います。

 

公的資格に守られていない無印の仕事ですが、とても高度なスキルが必要なのです。

 

名乗るのは簡単でも、探偵で生きていくのは簡単なことではないのです。

 

尾行調査を具体的に知る

上記で探偵の代表的な仕事である尾行調査の例を挙げましたが、それがリアルにどんなものかは下記のレポを読めばわかります。

 

 

 

これを読んでワクワクした人は本気で自分の仕事にすることを考えたらいいし、「大変そう」「自分は無理かも」と思ったらやめておけばいいのです。

 

探偵になるには?

 

方法1 就職する

一番いいのは、探偵事務所・興信所に就職することです。

 

ただし、本物のプロがいる会社に。

 

このサイトでは一流の探偵社はおおむねカバーしていますから、よく読んで自分が魅力を感じる会社を選んでください。

 

学歴などは普通問われないので、思い切って応募してみましょう。

 

全然畑違いの仕事からの転職でも問題ありません。

 

実際に探偵の経歴を聞いても、前職は実に多彩で一定の傾向はありません。

 

原一探偵事務所などはサイトに求人のページがあります。

 

 

求人のページがない探偵社なら電話で問い合わせてみればいいのです。

 

ただし、一般的に新卒を採用する探偵社はあまりないと思います。

 

方法2 探偵学校に入る

気に入った探偵社が今求人をしていないとか、現職はまだ捨てずにまずは勉強してみたいという場合、探偵学校に入学するという方法もあります。

 

ただし、親会社が有名な探偵社で、ちゃんと調査の仕事をたくさんしているところが運営している学校を選びましょう。

 

そういう学校なら、優秀な学生であれば在学中にリクルートされて、卒業と同時にプロの世界に入れる可能性があります。

 

私が取材した範囲では、さくら幸子探偵事務所とMR探偵社が探偵学校を運営してます。

 

 

 

実は調査の仕事が少なく、本業の探偵業が赤字で、薄いカリキュラムの探偵学校でぼったくってやっと成立しているような会社もあるらしいので、注意してください。

 

ただし、探偵は学校を卒業したらすぐ独立できるような甘い世界ではありません。

 

というか、免許・資格はないので勝手に独立開業はできますが、仕事を取り、ちゃんとした仕事で顧客を満足させ、続けていくことはとても難しいということです。

 

6,600社を超える届出があるのに、その相当部分がペーパーカンパニーや兼業という現実がそのことを物語っています。

 

学校で学べることは限界があり、たっぷりと実務訓練を積むことが大切なのです。

 

探偵学校はあくまで入り口という位置づけだと思います。

 

探偵の具体的な仕事内容を知る

探偵に憧れるのはいいですが、本気で仕事にするつもりなら具体的な仕事内容を知るべきです。

 

ドラマや映画の世界の探偵と現実は違います。

 

コナンみたいに刑事関連の仕事を扱うことはまずありません。

 

仕事の7~8割は浮気カップルを尾行してラブホテル出入りのシーンを隠し撮りすることなのです。

 

酷暑や酷寒の中で5時間も張り込んだ後に全力ダッシュしないといけないこともある苛酷な仕事です。

 

世間からは「怪しい仕事」というイメージをもたれやすく、よく知らないのに毛嫌いする人もいます。

 

それでもこの仕事を愛せるか?

 

まずは主要な仕事内容を理解してみてください。

 

探偵の主な仕事メニュー


新人探偵インタビュー集

これまでの取材で新人の探偵にインタビューする機会もありました。(今までのところ原一さんの方だけです。)

 

その詳細は別サイトに収録しているのですが、ここでは要約を載せたいと思います。

 

探偵への転職を考えている人には興味深い内容だと思います。

 

下記の3人はたまたまかなり特殊な前職ですが、先に述べたように前職に一定の傾向はなく、いろいろなキャリアの人が入ってくるそうです。

 

私がいつもお世話になっている探偵さんは昔ピザ屋だったとか。

 

原一さんも多様な前職の方を歓迎するとのことです。

 

(調査実務に差し支えるので、顔はモザイク加工してあります。)

 

刑事出身 Sさん

刑事出身 Sさん

私: 警察ではどんな仕事を?

 

Sさん: 交番勤務1年半、パトカー半年、刑事3年です。刑事としては、殺人、強盗、強姦等の強行犯係りでした。

 

私: 転職の理由は?

 

Sさん: まったく休みをもらえず、訴えても取り合ってもらえないのでやめました。

 

前職の経験を生かせる仕事ということで、自然に探偵に絞られました。

 

私: 採用はどんな風に進みましたか?

 

Sさん: 履歴書を送って書類審査が通ると面接がありました。試験はなかったです。

 

その後、6カ月の試用期間を経て、正社員に採用されました。

 

今で3年9カ月になります。

 

私: 試用期間はどんな仕事内容でした?

 

Sさん: まず無線の使い方を覚えて、調査にはタッチせず、現場に参加するところから入りました。

 

2か月目から車の移動係、張り込みを任され、その後に徒歩尾行や撮影を学びました。

 

私: 刑事と比べてやりがいはどうです?

 

Sさん: 警察でも尾行はしていましたが、依頼者はいませんでした。

 

お金を払ってくれている人のために役立てるというのはやりがいを感じますね。

 

あと、刑事の経験が生きるのはうれしい。

 

例えば詐欺事件の調査では上司から相談を受けますし、連続パンク犯の証拠取りは刑事の仕事に似ていました。

 

(インタビュー日時 2019年6月17日)

 

バイクレーサー出身 Eさん

バイクレーサー出身 Eさん

私: 前職のことと転職の動機を。

 

Eさん: 20歳から29歳まで鈴鹿に住んでレース中心の生活をしていましたが、年齢的にタイムリミットを迎えたと感じました。

 

探偵にはもともと興味があったのですが、バイク調査員を募集しているのが原一だけだったので、そこに応募したわけです。

 

私: 入社後の教育訓練はどんな感じでした?

 

Eさん: 車両尾行の訓練をみっちり受けました。バイク調査員になれたのは最近です。

 

私: 探偵のやりがいと苦労は?

 

Eさん: やりがいは依頼者の役に立てることですね。

 

しんどいのはスケジュールが読めない事です。調査はすべてが相手しだい。

 

いつ仕事が入るかもいつ終わるかも相手まかせですから。

 

(インタビュー日時 2019年6月17日)

 

女性刑務官出身 Sさん

女性刑務官出身 Sさん

私: 転職の動機は?

 

Sさん: マニアックな職種であるところに惹かれました。

 

私: 探偵のどんなところにやりがいを感じますか?

 

Sさん: 職人的なところです。

 

私: 女性探偵の活躍機会は多いですか?

 

Sさん: はい。まず女性しか入れない場所は女性探偵しか行けません。

 

女性専用車両とかデパートの下着売り場。

 

浮気の後で相手女性の後をつけて住所を確認する所在調査でも、女性なら怪しまれにくいです。

 

後は男性探偵とカップルを装うと、ラブホテル、居酒屋、旅館などで怪しまれずに相手に接近できます。

 

(インタビュー日時 2015年6月26日)

適性に関するベテランや経営者の意見

原一のベテラン探偵A氏の談話

原一のベテラン探偵W氏

試用期間
うちの場合、試用期間が6カ月あり、その中で見極めをしていきます。

 

最初は車から入ります。うちでは車を使いこなせないと探偵にはなれません。

 

探偵の資質があるかないかは、わりと早い段階でわかります。

 

向いてない人は3か月目くらいで自主退職していくケースが多いですね。

 

前職のキャリア
自衛隊、警察、消防など、一見探偵に役立ちそうな前職の人が入ってきますが、残るのはごくわずかです。

 

バイク調査員もいろいろなすごいバイク自慢が応募してきますが、なかなか探偵にはなれません。

 

レーサーは一人で速く走ればいいのですが、バイク調査員は相手に気づかれずに走り、チームメイトとの連携も取れないといけない。

 

バイクの運転だけうまくても意味がなく、走り屋やレーサーとバイク調査員は別物です。

 

そういうことはわかってもらった上で、あらゆるキャリアの人に挑戦してほしいですね。

 

探偵の資質
探偵の資質は一言では言い表しにくいですが、過剰なほどの心配性でかつ大胆ということが挙げられます。

 

相手がこう出たらこうする、しかしこう動いた場合はこうする・・・といったシミュレーション思考を、あらゆる場合についてやっておく必要がある。

 

詰めが甘いと、予想外の事態に直面すると慌てふためき、失尾や発覚などの失敗を犯す。

 

だから本当に過剰なほどに心配性でないとダメなんです。

 

その一方で大胆さも必要です。

 

おどおどと挙動不審だと発覚したり、問い詰められたりします。

 

調査対象が怖い人の場合もありますが、素知らぬ顔ですれ違って、近距離から隠し撮りできる度胸も必要なんです。

 

素早い判断を正確にどんどんしていける能力も大切です。

 

尾行中に判断に迷ってもたもたしたり、間違った判断を繰り返せば、あっという間に失尾か発覚ですから。

 

運転、無線連絡、尾行、撮影など、複数の込み入ったことを同時に進められる能力も大切です。

 

一度に一つのことしかできない人は、この仕事には向きません。

 

あと、外見はどこにでもいそうな、風景に溶け込んで記憶に残らないような人が向いています。

 

背が190cm以上あるとか、一度見たら忘れられないような特徴がある人は、もっと別な仕事があると思います。

 

MR探偵社・岡田社長の談話

MR探偵社・岡田社長

うちの場合は全員、自社の探偵学校を卒業してもらっています。

 

探偵学校の学生をリクルートする場合はもちろんそうだし、他のルートで採用した人も自費で卒業してもらいます。

 

言葉で言い表しにくいですが、「調査員としてのセンス」のようなものは確かにあり、それは探偵学校の訓練の中で早い段階でわかります。

 

「調査員としてのセンス」が乏しい人も長く努力を続ければなれるかというと、それは難しい仕事だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

参考記事

下記の記事も参考になるはずです。

 

ぜひ読んでみてください。

 

探偵の免許・資格

探偵には公的な資格も免許もないのは、本ページで紹介したとおりです。

 

しかし、民間資格はいくつかあり、下記のページに出ています。

 

 

探偵になるには?

本ページと同様の趣旨の内容ですが、違う観点から別の情報を集めてまとめられています。

 

本気で目指すなら、できるだけたくさんの情報を集めましょう。