原一探偵事務所の公開尾行訓練・同行レポート|徒歩尾行される側を体験!

原一探偵事務所の公開尾行訓練・同行レポート|徒歩尾行される側を体験!

尾行体験レポ・徒歩尾行編

尾行訓練風景

【新人尾行チームが撮った我々の写真】

左二人は広告代理店関係者、中央が私。
右二人の探偵の説明を聞きながらショッピングモール内を移動。
その様子を尾行チームが逐一無線で報告し、撮影記録する。

 

 

車両尾行から徒歩尾行へ

 

駐車場に車を停めて、我々はショッピングモールへ移動しました。

 

姿を見られないことが原則
モールへの入り口付近で尾行者の新人探偵が大きなミスを犯し、鬼教官がどなりつけるのがイヤホンで聞こえました。

 

A探偵の説明を聞いて滞留しているわれわれのそばをすり抜けていったのです。

 

われわれが入り口付近で止まっているので、先を急いで中で待ち伏せしようと考えたのでしょう。

 

しかし、決定的場面の接写チャンスなどを除けば、探偵はターゲットに接近してはいけません。

 

怪しまれないまでも、記憶に残してはいけないのです。

 

かすかにでも記憶にあると、次に別の場所で見かけた時、一気に疑いに転じます。

 

しかし、ここでも距離を取るほど発覚のリスクは減るが、失尾のリスクは上がるというジレンマにぶつかります。

 

我々はモール内を歩き、尾行は継続されます。

 

見えない相手に見られている不思議
我々の動きを逐一モニターするのが、無線のイヤホンから聞こえます。

 

「広場の真ん中で停止。周囲を見回してる、どうぞ。」

 

「ショッピングエリアに向けて進行再開。」

 

複数の人間が我々を観察しているのが声でわかりますが、姿は全く見えません。

 

二階の廊下にいるのでしょうか?

 

尾行されていることもわかっているし、尾行者の姿も知っているのに発見できません。

 

このあたりは新人とはいえ、さすがです。

 

尾行の察知が困難なことを実感
尾行者を知っていても発見できないということは、相手を知らない場合はさらに難しいということです。

 

尾行されているかどうかもわからないとなるとなおさらです。

 

熟練のプロ探偵ともなれば、尾行を見破るのは至難の業でしょう。

 

これは実際に尾行されてみて納得しました。

 

尾行中の探偵の動きを図解

チームメンバーの動きを文章だけで理解するのは難しいかもしれません。

 

基本の動きを図解したページがあるので、必要に応じて読んでみてください。

 

尾行の話がより理解でき、いっそう面白く読めると思います。

 

 

尾行訓練風景

【撮影されたターゲットの私】

自分の行動がすべて報告されているのが、耳に装着したイヤホンから聞こえる。
しかし、見回しても探偵の姿は見えない。(顔を知っているにも関わらず)
いったいどこから見ているのか?…

 

店内へ移動

われわれは大型の雑貨店に入りました。

 

店舗ではまず出口の数を確認

「○○ショップに入店します」と新人探偵が報告。

 

「その店に出口がいくつあるか、確認しろ」

 

鬼教官の指示が聞こえます。

 

出口が複数ある施設に入ると、単独尾行では失尾するリスクが一気に上がります。

 

探偵は我々の後で続いて入店したようですが、店内は棚が多く、確認できません。

 

尾行では対象の買い物の観察も大切
A探偵が説明をくれます。

 

「ショップの買い物でいろいろわかることがある。」

 

「例えば、ドラッグストアでコンドームを買えば、間違いなく今日浮気する。」

 

「コンビニで飲み物を2個買えば、まもなく女と会うと予測できる。」

 

「素行調査が目的の場合は、万引きをしてないかもチェックポイントですね。」

 

ポーカーフェイスを貫くことが大切
この間も我々の様子が逐一モニターされています。

 

いったいどこから我々を見ているのか?

 

勘頼みで隣の棚の通路にぴょんと移動すると、探偵を発見しました。

 

何かを隠し、背を向けたのがわかりました。

 

A探偵が指摘します。

 

「今、探偵が変な動きをしましたね。あれがまずい。急に見られても変な動きをしなければバレなかった。本番だと探偵の顔は知らないわけだから。」

 

素人の尾行は無理と実感
ターゲットが警戒している場合はこんなこともままあるでしょう。

 

訓練を受けたことのない人間が、ポーカーフェイスを貫けるものでしょうか?

 

素人が尾行するなんて、まったく非現実的なことが実感されてきました。

 

顔見知りが尾行するのも非現実的です。

 

まして、変装して自分の夫や妻を尾行するなんて、200%発覚か失尾に終わります。

 

徒歩尾行終了⇒次の展開へ

店を出て駐車場に向かいました。

 

駐車場の入り口でもまだ観察されていることが無線でわかります。

 

A探偵が聞きました。

 

「どこにいるか、わかりますか?」

 

まったくわかりません。

 

見られても動かないのが大事
「あっちですよ。」

 

指さした方向を見ると、駐車場の暗がりの柱の陰で人影が動きました。

 

「あれは動いたのがまずい。見られても動かなければ、バレなかったのに。」

 

A探偵が新人のミスを指摘しました。

 

ここで徒歩尾行は終了。

 

尾行訓練風景

【ショッピングモール内徒歩尾行終了】

ここでいったん区切り。皆が集まる。

 

尾行する側もされる側も集まってきて、次のプログラムの分乗チームを決めます。

 

ここからは、私が尾行する役割にチェンジです。

 


補足解説

この珍しい体験の中で学んだ尾行技術の基礎を解説します。

 

「人の後をつけるくらい誰でもできる」などという人もいますが、とんでもない!

 

尾行に非常に合理的な技術があることを知り、興味深かったです。

 

人通りの多さと尾行方法の関係

尾行の方法や難易度は、人通りの多さと密接に関係しています。

 

人通りと距離の関係
人通りが少ないと尾行が目立ち、発覚(バレる)のリスクが高まるので、距離を取ります。

 

人通りが多いと失尾(見失う)のリスクが高まるので距離を詰めます。

 

徒歩尾行の最基本は、人通りに合わせて対象との距離を調節することです。

 

動的な距離調節
これは長時間固定されるものではなく、周囲の状況に合わせて随時変更していきます。

 

例えば、対象が空いたエリアから人通りの多いエリアに入って行った時は、どんどん距離を詰めていきます。

 

そして、そこを抜けるとまた距離を空けていきます。

 

人通りと難易度の関係
尾行が一番難しいのは、人通りが極度に少ない場合と極度に多い場合です。

 

人通りが極端に少ない場合
例えば深夜の夜道だと、基本は見られないように距離を取らねばなりません。

 

そうすると、ちょっとした油断で失尾しやすい状況になります。

 

都心なら物陰はいくらでもありますが、角を曲がったところで地下に下りられてしまうかもしれません。

 

住宅地もそうで、部屋番号はおろかどのマンションに消えたのかもわからないということが起こりえます。

 

最も極端なのが、北海道の冬の夜道です。

 

もともと人口密度が低く、街の作りも広々としていて、雪に足跡も残ります。

 

この取材の後、札幌支社にお邪魔した時は、「冬の北海道は尾行も張り込みも大変」とおっしゃっていました。

 

人通りが極端に多い場合
例えば通勤ラッシュの電車では、複数名がかなり近い距離にいないと失尾の危険大です。

 

男性探偵しかいないのに、対象が女性で女性専用車両に乗られた場合などは大変です。

 

隣の車両に乗り込んで、停車のたびに大勢が乗降する中で、対象の動きを監視するのは至難の業です。

 

ほかには祭り、フェス、イベント会場など。

 

不倫カップルもこういう場所にはよくデートに行きます。

 

今回の現場
今回の現場は空いていすぎず、込み過ぎてもおらず、適度な人通りがありました。

 

ショッピングモールなので、柱、曲がり角、ショップなど身を隠せる障害物も多かった。

 

我々は1階のフロアを歩いていたのですが、2階から見下ろしての監視もしやすかったはずです。

 

探偵は仕事をしやすかったはずです。

 

逆に言うと、この状況で尾行に気づくのは、かなり敏感な人でも無理なのではないかと思います。

 

徒歩尾行がわかるYoutube動画

原一の取材で学んだことをYouTube動画にまとめています。

 

徒歩尾行の技術についてもっと知りたい方は,一度見てみてください